欲望のかたまり

2007年2月21日
夢って自分の深層心理を表しているとよく言われるけど、ほんとうにそうなんだろうか。
某フロイトさんの言うとおりであれば、世の中の人の大半は欲求不満ということになってしまいそうだけど。
でも、現実には何も関係のない人が夢に出てきただけで、その後から妙に気になってしまったりはするよね。

夢をみた。
その夢はあたしが欲望のかたまりであることを如実に表していて、「純粋な尊敬と親愛」と言って着飾っていた自分が恥ずかしくなるものだった。

職場で島田さんと話をしていた。
電話がなった。
あたしが電話に出た。
その電話は島田さんあてだった。
あたしは島田さんへ引き継いだ。
島田さんは、あたしの机の上にある電話でその電話に出た。
手に多くの資料を抱えていた島田さんは、あたしに受話器を持つように言った。
あたしは島田さんの言うとおり、受話器を持って島田さんの耳と口に近づけた。
そのまま島田さんは話し続け、あたしは受話器を持ち続けた。
島田さんが話をしながら顔を動かすたび、あたしの指が島田さんの唇に触れそうになった。
あたしはそのたびに心臓をふるわせながら、島田さんの唇を見つめ続けていた。
そして島田さんは一度大きく顔を動かし、あたしの指は島田さんの唇に触れた。
椅子に座った島田さんがあたしを見上げ、あたしは動くことができなかった。

という夢をみた。
なんてあさましいんだろう。
あたしはこういうことを望んでいるのだろうか。
「純粋な尊敬と親愛」とかぬかしながら。

朝起きてこんな夢をみたことさえ忘れていたのに、何故かふと、ある駅を過ぎた頃に島田さんの唇に触れた瞬間を思い出して、人生で初めて自分の夢を恥ずかしく、あさましく、そしてなんて純粋で素直なんだろうと思った。
多分これは恋にも愛にもならないけど、
あたしが今望んでいるのはそのようなものなんだろう。

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